「まさか自分が」カンボジアで詐欺グループの監視下に置かれた30代の男性 渡航から脱出するまでを証言
Jun 11, 2026•Channel
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Published1 month ago
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Languageja
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福岡県内に住む複数の若い男性がカンボジアに入国後行方不明になっている問題。
カンボジアから詐欺グループの隙を見て脱出した男性が、自らの体験を証言しました。
詐欺の電話をかける「かけ子」役になりかけたという男性の話から、実態の一端が見えてきました。
「物流の仕事、こっちで一緒にやらないか」知人名乗る人物から届いたメッセージ
Aさん(30代・男性)
「うわあ、やってしまったなという感じですね。周りの人にも『ちょっと外国に行ってくるよ』と伝えていて『いろいろとそういう(犯罪に加担させられる)問題が多いから気をつけなよ』と(言われて)。『そんなことないやろ』と。そんな感じで言っていたので『まさか自分が』と」
西日本に住む30代の自営業・Aさん。
今年の春、カンボジア国内で一時ニセ電話詐欺グループの監視下に置かれていました。
きっかけは、20年ほど前に仕事を通じて知り合った知人を名乗る人物から今年3月に届いた「あるメッセージ」でした。Aさんの知人を名乗る人物
「タイからいろんなところに物を運ぶ物流の仕事している。こっちに来て一緒にやらないか」
突然の合流場所変更 タイからカンボジアへ
メッセージは、普段は使っていない秘匿性の高い通信アプリに送られてきました。
それでもAさんは自身の仕事が好ましくない状況だったことなどから不審に思うよりも興味のほうが大きくなり海外行きを決断。
次の月、パスポートを作ってタイに向かおうと飛行機に乗ったところ、知人を名乗る人物から合流場所の変更を告げられます。Aさん(30代・男性)
「『先に(カンボジアに)行くよ』と。タイで落ち合うんじゃなかったのと(尋ねたけど)自然とプノンペンに行くような形。仕事で忙しいから先に行っているねと」
カンボジアに到着 待っていたのは
ところが、カンボジアで待っていたのは知人ではく、見知らぬ中国人でした。
ワンボックスカーに乗せられ、およそ3時間かけて首都のプノンペンからシアヌークビルのカジノホテルまで移動しました。Aさん(30代・男性)
「(中国人は)後部座席に私と2人で乗って『安心してください』と通訳(アプリ)でやりとりして入れ墨が入っていた人だったので、こういった人たちがやっているんだろうなくらいにしかみていなかったんですけど。きょうは遅いから(仕事の話は)あす、あさってなんだろうなという感覚で」
受け取った「タバコ」 実は”薬物”?続く不可解な出来事
初日の夜、到着したカジノホテルで別の中国人から「タバコ」を受け取ったというAさん。
接待の中での出来事だったため特に気にすることなく吸うと、翌日に「薬物」だったと聞かされたといいます。Aさん(30代・男性)
「私が吸っている写真を中国人が撮っていて、(知人を名乗る人物がアプリのメッセージで)『こっちでこういうことをしてはいけませんよ。これでは帰れないですよ。尿検査をしてください』と。そんな話から『警察がホテルに乗り込むそうだからガラかわして(逃げて)ください』ということで中国人と海に出かけましたね」
3日で帰るつもりが・・・知人から打ち明けられたうそ
こうした不可解な行動を強いられる中、3日目に知人を名乗る人物から初めてニセ電話詐欺の「かけ子」の勧誘だったことを打ち明けられます。
当初は3日間の滞在で帰国するつもりだったAさん。
「まさか自分が」との思いに加え、息子の中学校の入学式に出席できないことを悟って家族に連絡を入れました。Aさん(30代・男性)
「家族には内緒で行っていたんですね。3日で帰る予定だったので仕事とうそをついて出て行って。向こう(カンボジア)から連絡を1回入れたんですけど、そのときに呆れていて『もう知らん』『もう帰って来なくていい』と、そういう感じでした」
ここから出口の見えない日々が続くことになりますが、最初にニセ電話詐欺グループがAさんに出した指示は意外なものでした。
カジノホテルの最上階で「採用面接」
「採用面接」です。
カジノホテルの最上階にある会議室で待っていたのは、中国人とみられる5人の「面接担当者」。「コの字」のソファーに座るよう促されたAさんは4人に質問を投げかけられ、机を挟んで立っていた1人が通訳をして言葉を交わしました。
「面接担当」の男性「ここへは何をしに来ましたか」
変わった質問もあったといいます。
「面接担当」の男性「住吉会関係の人間ですか」
「面接担当」の男性「モリタという人間とはどういう付き合いですか」
「面接担当者」が口にしたのは、日本の指定暴力団を指しているとみられる「住吉会」や「モリタ」という見知らぬ人物の名前。
Aさんが無関係を強調し、物流の仕事と聞いて入国したことを伝えると、面接の結果は「不採用」でした。Aさん(30代・男性)
「(アプリで翻訳すると)この老人は使い物になりません。かけ子の連中はみんな若いんですよ。23(歳)から25(歳)あたりだったんですけど、それに比べて(自分は)年なのでそういったことなのかなと」
スマホで見せられた殺人動画 部屋には見張り
その後、知人を名乗る人物から別の面接を受けるよう依頼があり、2度目の面接で「採用」となったAさん。
シアヌークビルの別のホテルに移動すると、中国人が「裏切りは許さない」との意味を込めて、スマートフォンである動画を見せてきました。Aさん(30代・男性)
「人が殺される動画だったり、海に落とされる動画だったり、拷問を受ける動画だったり。(頭から)袋を被せられていたのでどういった人間かは分からない。逃げるにしても完璧に逃げないといけないなと。1回はこっちでやってみようかなという気にもなったんですけど、踏みとどまりましたね」
そしてホテルの部屋には見張り役がつけられ、軟禁された状態となりました。
カンボジアで知り合った「かけこ」日本人男性(23)
不穏な状況になる中、Aさんは、グループで「かけ子」をしている23歳の日本人男性と知り合いました。
この男性は去年8月に大学生の友人と2人でカンボジアに入国したと話したといいます。Aさん(30代・男性)
「(男性は)2週間の(仕事という)話で。だから友達も誘ったと。自分は友達を連れてきたから報酬をもらったみたいなんですよ。でも報酬も自分らがだまされたと分かった時に友達の大学人生を壊してしまったということで、お金を全部大学生に渡したけど別々に離されたと。今どこで何をやっているか分からないと」
ホテル脱出を決意した男性
「かけ子」の役割を与えられる日が迫り、Aさんはホテルから脱出することを決めます。
同じ部屋にいた見張り役の男性がトイレに入った隙を狙って部屋を脱出。
ホテルの従業員にスマートフォンを借りて家族と連絡を取り合い、徒歩圏内にあった警察当局の施設に逃げ込みました。
当局から事情を聞かれた後、日本大使館に保護されました。
3日間のつもりが3週間ぶりとなった家族との再会。
当時の心境はーAさん(30代・男性)
「もう涙が出ましたね。本当に申し訳なかったなと。いろいろとこっち(日本)でも警察や外務省に(連絡を取ってもらって)嫁さんにも苦労をかけたので。ごめんなさいという感じで」
「2泊3日で友人と海外に行く」日本に帰ってこない大学生
一方、日本に帰ってこない若者たちもいます。こちらは2025年年末カンボジアに入国後、音信不通になったとされる福岡県在住の男子大学生。
家族には「2泊3日で友人と海外に行く」と伝えて出発しましたが、いまだに帰国が実現していません。
大学生の母親は現在も定期的に警察と情報交換を行っています。大学生の母親
「連絡自体は、電話も当然できないですし、位置情報も分からない状態が続いています。いろんな報道を見聞きすると東南アジア全域で(ニセ電話詐欺グループの)摘発が強まっているので、その関係で見つからないかなと期待しているところです」
「仕事」や「旅行」などの言葉で海外に誘い込み、犯罪に加担させるニセ電話詐欺グループ。日本の警察や現地当局が捜査を続けていますが、大学生の母親は組織の壊滅に向けて国全体での対策を求めています。大学生の母親
「私たちの力ではどうにもならないので、国や政治家のみなさんには詐欺産業に対してマネーロンダリングができない仕組みや携帯電話を転売できないようにとか、そういうところの規制とか制度をつくってくれたら少しは減るのではないかなと期待しています」
詳細は NEWS DIG でも!↓
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2726527