【解説】一筋縄ではいかない!北陸新幹線の大阪への延伸ルート 京都府・市の思惑は!?
Jun 30, 2026•Channel
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〈山本隆弥キャスター〉
北陸新幹線の小浜・京都ルートについてです。今日のヒアリングで、京都市は難色の姿勢を示しました。京都府としては反対しない立場を取ったわけですが、まずはその京都市の立場について詳しく見ていきます。
京都市が小浜・京都ルートに対して難色を示した理由として、まず建設時に土を掘ることになるため、その土をどのように処理するのか、どこで処理するのかが課題となります。さらに渋滞の問題もあります。工事車両が増加するほか、車線規制が行われる可能性もあります。
新幹線を誘致する場合にはその自治体も負担しないといけません。京都市は誘致していないですよと、その財政をどうするのという課題もあります。
加えて、歴史的建造物です。京都には世界遺産、国宝が数多く存在しており、これらへの影響も懸念されています。
特に注目されているのが地下水の問題です。京都府内にあるおよそ1,100の寺院などが加盟する京都仏教会は、29日に「市が独自に調査を実施してほしい」と改めて反対の立場を示しました。
地下水について詳しく見ていきます。現在の京都駅周辺の地形ですが、南北案を北陸新幹線が通る場合、当然ながら京都駅を通ることになります。しかし地下には地下水が流れています。
しかも、伏見地区には酒蔵が多くあり、酒造りにとって非常に貴重な資源であることが分かります。また、京都駅以外にもJR京都線の桂川駅を通る案もあるわけです。
〈高岡解説委員〉
京都の皆さんにとって、今ある京都駅が京都駅です。当然、新しい鉄道路線ができれば、現在の京都駅のどこかに接続されると考えるのが自然です。
しかし問題は建物です。京都で最も大きな課題の一つは景観です。
そのため、高層建築物は基本的に新たに建設しないことになっています。現在の京都駅のような大規模な建物をさらに増築することは現実的ではありません。また、地上部分に高架で新幹線を通すことも難しい状況です。歴史ある街並みに新たな高架構造物を設置することはありえません。
その結果、どうしても地下に建設する方向になります。東京駅などでも地下深くに鉄道施設が整備されていますが、その際に活用されるのがいわゆる「大深度法」です。
本来の法律名はもっと長いのですが、「大深度法」という法律があり、東京などではよく利用されています。地表から40メートル以上の深さにトンネルを掘る場合、通常は地面の上に住んでいる方の了承が必要ですが、大深度法の適用によって、その同意が不要となるケースがあります。
ところが、今日のヒアリングでも指摘されたように、京都の地下水は地下40メートルから100メートル付近にあると言われています。
先ほども触れたように、酒造りの原料として利用されているだけではありません。京都市内には多くの寺社仏閣があり、お茶の湯や神仏への供え物に使う水としても地下水が利用されています。そのため、単なる産業用水ではなく、文化や歴史とも結び付いた地下水ですので、京都駅をどこに設置するのかは棚上げの状態です。
〈山本隆弥キャスター〉
ここまでは京都市側の立場を見てきました。続いて京都府側の立場を見ていきます。
京都府は「顔色をうかがっている」とも言われています。
今回のヒアリングにおける京都府の立場ですが、小浜・京都ルートについて、京都市と同様に地下水や土への懸念を示しています。
しかし、一方で、亀岡市や舞鶴市などは新幹線を誘致したいと言っています。そのため京都府は、京都の北部・中部地域の発展が重要であるという立場を取っています。
さらに、南部地域の発展という観点もあります。
亀岡市や舞鶴市は中部・北部に位置していますが、京都駅の南部にあたる京田辺市に新幹線を通す案も出ています。近くに、けいはんな学研都市もあるし、路線も多く交通アクセスに優れているため、新幹線によって北部・中部・南部を結ぶ経済圏の発展が期待されています。
これまで京都は東海道新幹線を中心とした東西方向の経済圏が中心でした。しかし南北方向の経済発展はなかったので、京都府としては縦軸の経済圏形成に期待している側面があります。
今回、京都府と京都市が共通して口にしたのは、「国が決めること」という考え方でした。
今後のスケジュールですが、まず7月7日に大阪府・大阪市への聞き取りが行われます。
そして7月17日の通常国会会期中までに、ルート決定を目指すとされています。残された期間は約3週間です。
〈高岡解説委員〉
政治なので、どこかで期限を設けなければなりません。特に7月17日は国会の会期中となり、ギリギリになります。
しかし、鉄道は利用者がいないと、建設したとしても、維持が難しくなります。そのため、まずは大阪府・大阪市の意見を聞くことが重要です。
仮に迂回ルートするとか、国が決めるとなれば、大阪府・市も一定の費用負担が発生する可能性があります。まずは、大阪の言い分を聞きましょう。
〈山本隆弥キャスター〉
新幹線開業に伴って並行在来線が第三セクターへ移管されるケースもあります。その場合、運賃が上昇したり、列車本数が減少したりする可能性があります。
そのため、新幹線のルートだけでなく、在来線沿線の住民への影響についても十分に考慮してほしいという意見があります。
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