「狂っている」米トランプ大統領がイスラエル首相に激怒 ホルムズ封鎖続き原油価格はどうなるか (2026年6月4日)
Jun 4, 2026•Channel
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混迷する中東情勢についてです。6月1日、レバノンの南部の町で、白煙が上がりました。イスラエルが、レバノンのイラン寄りの民兵組織ヒズボラへの攻撃を強化していました。これに怒ったのは、アメリカのトランプ大統領です。トランプ大統領は、イスラエルのネタニヤフ首相に対して、電話会談で、「狂っている」などと激怒したと報じられました。「イランとの交渉が進まない…」いら立ちをあらわにしました。
ホルムズ海峡の様子です。戦闘終結に向けての交渉が進まず、ホルムズ海峡を通れない無数の船やタンカーが停泊していました。ホルムズ海峡の封鎖は、世界の原油価格を高騰させています。専門家に想定されるシナリオごとに原油価格が今後どうなるのか解説してもらいます。
原油価格の見通し 3つのシナリオ
今後の原油価格の動向について、原油市場に詳しい日本総研の栂野裕貴研究員に話を聞きました。
--作成いただいた原油価格の見通しを3つのシナリオごとに表したグラフはどのように読み解いたらいいのですか?
日本総合研究所 栂野裕貴研究員:
「3つのシナリオを分けるものは、アメリカとイスラエル、イラン間の戦闘が本格的に終結する時期によります。メインシナリオでは7月末に戦闘が終結するということを仮定していまして、悪化シナリオは今のような状況がずっと年内続いて戦闘終結が年末になるということ。最悪シナリオの場合は2026年内でもこの問題が解決せずに、2027年にまでズルズルと持ち越しになってしまうということを想定しています」
--例えば我々の身近なところのガソリン価格で言うと、メインシナリオ、最悪シナリオで1バレルあたり何ドルかという原油価格がどれくらいになるのですか?
日本総合研究所 栂野研究員:
「大体90から100ドルくらいで原油価格推移していますが、これはガソリン価格をもちろん政府が補助しているので、補助を除いた場合は1リットルで200円くらいのガソリン価格になります。よって悪化シナリオだと原油価格100ドルで今後推移するということになります。ガソリン代も200円くらい。最悪シナリオは、ガソリン代に直すと240から250円くらいに1リットルあたりでなってしまうことになります」
--これメイン、悪化、最悪と3つのシナリオどれくらいの確率で、今どうなりそうなのですか?
日本総合研究所 栂野研究員:
「メインシナリオが起こるのが、50%くらいと想定しています。悪化シナリオが35から40%くらい。最悪シナリオが一番可能性は低いのですが、10から15%くらいは見ておいた方がいいと思っています」
--そのあたりの予測の割合は、どう感じて出されたのですか?
日本総合研究所 栂野研究員:
「まずメインシナリオが一番50%で大きいわけですが、これはアメリカ、イランともこの戦闘を早く終わらせたいと考えていることが前提になります。アメリカに関しては7月4日にあの独立記念日があるので、それまでに紛争を終わらせたい。イラン側も、アメリカからの封鎖によって経済がかなり苦境に陥っているので、1、2カ月で何とかしたいと思っていることを踏まえると、50%はメインシナリオなのかなと思っています。ただ、ここ1、2カ月、ずっと交渉がまとまるかなと思いきや、まとまらない。そのようなことが繰り返されてきました。悪化シナリオについても最悪の場合についてもあの想定しておくべきということで、シナリオを置いています」
3兆円超の政府支援、シナリオごとの効果と懸念
--どのシナリオに行くかっていう可能性は、どれも可能性としてはあるということなのですが、ただその中で6月3日に原油価格の高騰への対応を国が決めました。3兆1135億円の補正予算を閣議決定したのですが、内訳としては使い道2026年の3月からのガソリン補助金の継続とか、7月から9月の電気・ガス代の支援なのですが、3つのシナリオそれぞれどうなるか分からない状況で支援はどう変わってくるのでしょうか?
日本総合研究所 栂野研究員:
「政府による支援は、もちろん家計や企業のエネルギー負担、エネルギー代の負担の軽減には繋がります。メインシナリオよりもっと事態が悪化する場合、例えば悪化シナリオ、最悪シナリオになると3兆円規模の予算が組まれています。ただ、それよりももっと多くの財政支出が求められる可能性があると思います」
--あくまでも価格を下げるよという意味でのこの補助金支援ということになりますよね。例えば原油価格がどんどん上がって、補助金も上げていって、ずっと追いかけっこ、いたちごっこになってしまうような恐れもありますが、どうですか?
日本総合研究所 栂野研究員:
「そのようなことを繰り返していくと金融市場がこういった日本の財政悪化を意識すると、例えば通貨や円安が進んだり金利が上がったり、その結果経済に副作用が生じるリスクにも注意するべきかと思います」
求められるのは価格抑制ではなく「省エネへのシフト」
--政策がある一方で、メインシナリオであればある程度のその効果も見込めるかとは思うのですが、どう感じますか?
日本総合研究所 栂野研究員:
「今やるべきはエネルギー価格を抑制することではなくて、エネルギーの消費量を抑制する、いわゆる省エネをするべきだと思います。家計にせよ企業にせよ、今回のエネルギー負担、エネルギー代の負担を軽減する、これはもちろん大事なのですが、エネルギー代の負担はエネルギーの単価と使う量の掛け算で決まるので、その単価の方だけじゃなくて、使用量の方を減らすということで家計企業の負担を軽減し、取り除いていく施策が今後求められると思います」
--具体的に頭に浮かんでいらっしゃるものはありますか?
日本総合研究所 栂野研究員:
「まず政府が石油を供給制約される状況なので、無駄のない使用を呼びかけるといった、呼びかけベースのことからです。例えば、今の車よりももっと燃費の高い車に乗り換える時の補助金を一部出すとか、そういった財政の出し方であれば、市場もそれほど懸念しませんし、家計企業にとってもエネルギー価格、払う量、支出を抑制できるといった効果があるかと思います」
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