116年の歴史に幕 JR留萌線「心の灯りは消えない」ニシン、石炭、木材の運搬…夏は留萌の海水浴へ 沿線住民とともに歩んだ鉄路の記憶
Mar 31, 2026•Channel
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北海道のJR留萌線は31日が営業運転の最終日。1910年(明治43)の開業以来、116年間続いたレールの響きもこの日が最後です。
鉄道ファン
「なんか寂しい感じがします」
「音とか風景を目や耳に焼きつけたい」
存続を訴えてきた沿線自治体の町長は…。
沼田町 横山茂町長
「きょうで灯りは消えてしまいますが、私たちの心の灯りはこの先は消えることはなく…」
地域の産業と発展を支えてきた留萌線、最後のにぎわいと沿線の人たちを見つめます。
万感のラストラン「たくさんの思い出をありがとう」
片山侑樹記者(JR石狩沼田駅・31日午前9時半すぎ)
「きょうをラストランを迎えるJR留萌線の石狩沼田駅に来ています。午前中からにぎわいを見せています」
31日の石狩沼田駅です。お別れセレモニーが開かれ、ふだんは静かな終着駅に、大勢の鉄道ファンが詰めかけました。
秩父別町から来た人
「家からガタンゴトンとずっと聞こえていたので、あの音もなくなるのかと思うと寂しいです」
「たくさんの思い出を作ってくれてありがとうって感じ」
ニシン、石炭、木材の運搬…夏は留萌の海水浴へ ともに歩んだ116年
この日、ラストランを迎える留萌線。1日、1キロあたりの平均乗車人数は100人未満で、JR北海道は廃止を提案していました。
沿線自治体との協議を経て、2016年に留萌~増毛間を廃止。2023年には留萌~石狩沼田間も。
学生の通学利用に配慮して、3年間、廃止が猶予された石狩沼田と深川の間も、4月1日で廃止となり、これで留萌線すべてで運行が終了します。
小泉商店 小泉清彦さん(81)
「はい分かりました。お届します」
沼田町に住む小泉清彦さんです。石狩沼田駅の近くで、130年以上続く酒店を営んでいます。子どもの頃から、生活の中心に鉄道があったと言います。
小泉商店 小泉清彦さん(81)
「どこ行くにも汽車ですよ。夏の暑い時に学校の子どもたちも海水浴に汽車でみんな団体で乗って行く。留萌の近くになると潮風が海の香りがして、いやぁ農村地帯とは違うなって感じはよくしましたよ」
「この辺は昔ニシンがとれた。留萌のところで貨車何台もおりて、びっしりなったらこっちに運んでくる」
ニシンの他にも、石炭や木材の輸送で活躍した留萌線でしたが、炭鉱の閉山など、産業の衰退とともに利用者も減少していきました。
小泉商店 小泉清彦さん(81)
「恵比島の駅だって、商店だって15~6軒くらいありましたからね。いまは1軒もありません。人がいなくなっていきますしね、だんだん。いやあ寂しくなりますね本当に」
「駅を活用してほしい、なくしたくない…というのが本音」
多くの鉄道ファンが訪れた留萌線の「秩父別駅」です。
信平俊行さん76歳は、13年ほど前からボランティアで駅周辺の清掃を続けています。
去年までは自ら花を育て利用者を出迎えていましたが、廃線を受け、今年は種を撒くのをやめました。
信平俊行さん(76)
「悲しくなるよね。これがなくなると。駅があったということを見に来てほしい。駅を活用してほしいのが僕の希望なんです。なくしたくないというのが本音です」
“赤色線区”すべて廃止…変わりゆく地域の交通網
堀内大輝キャスター)
JR留萌線は、31日午後9時11分、石狩沼田発の最終列車で、116年の歴史に幕を下ろします。
留萌線の廃止によって、通称「赤色線区」と呼ばれる区間はすべてなくなります。
森田絹子キャスター)
赤色線区とは、JR北海道が単独では維持が難しいとしている区間のうち、1キロあたりの平均乗車人数が、200人未満の区間です。JRが廃止の方針を示してから10年。5つの赤色線区は、すべてなくなることになります。
堀内キャスター)
廃線になった後に交通手段が、課題となります。
森田キャスター)
留萌線では3年前に一足早く、石狩沼田と留萌の間が廃止されています。鉄道がなくなった留萌の交通について、マチの声を聞きました。
3年前に廃線の留萌市…バス転換後の交通システム
3年前に廃止となった留萌線の留萌~石狩沼田間。鉄道がなくなったことで、留萌の主要な公共交通は、バスに変わりました。
留萌と深川・旭川間を結ぶ既存の路線バスを活用するほか、JRを利用していた学生の通学手段を確保するため、予約制のデマンドタクシーを新設。
通院や買い物で旭川に出かける人のために、高規格道路で1日1往復する「速達バス」もつくりました。
利用者は、どう感じているのでしょうか。
旭川から来た人
「(JRの方が?)楽だよ。だってここ(バス停が)分からない」
留萌市民
「便利ではない、便利悪いです。バスも本数が少ない。人数(乗客数)が少ないのにしようがない」
「バスに乗るっていうよりは家族の車に乗ったりとか」
堀内キャスター)
バス会社が、工夫してはいるものの、鉄道という選択肢がなくなるのはどうしても、不便に感じてしまうようです。今回廃止になる石狩沼田~深川間はどうなるんでしょう。
鉄道廃線でバスに転換 利便性や運賃に変化は
森田キャスター)
通学時間帯に新たな路線バスを運行します。朝の一便は深川西高校前にも停車するなど住民の利便性に配慮するということです。
運賃は、と言いますと。JR留萌線は、石狩沼田から深川まで片道360円です。
4月1日からは駅のそばの観光情報プラザからバスに乗ると、深川まで片道650円と、290円、高くなります。
町は物価高対策も含め、高校生がいる家庭への応援手当を月額1万円から2万5000円に増やすなど負担軽減を図るということです。
堀内キャスター)
道内の鉄道は大きな節目を迎えたわけですが、実は、鉄道をめぐる議論、もう一つの山場を迎えています。
森田キャスター)
廃止となる「赤色線区」のほかに「黄色線区」もあるんです。1キロ当たりの平均乗車人数が200人以上、2000人未満の赤字区間のことでJR北海道は、地元負担を前提に存続を目指す考えです。
この黄色線区について、国は来年3月までに、抜本的な改善策をまとめるよう、JRに求めています。
堀内キャスター)
人口減少の中、限られた財源で地方の交通網をどうやって守っていくのか。利用のあり方も含め、待ったなしの課題です。