「生きて帰ってきて」カンボジアで行方不明となった息子を探す母親 福岡県の複数の男性が行方不明に ”潜入”カンボジア巨大詐欺拠点の実態とは【R調査班】
Apr 2, 2026•Channel
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Published2 months ago
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福岡県内に住む複数の若い男性がカンボジアに入国後、行方不明になっている問題です。
カンボジアに入った後、音信不通になったとされる男子大学生の母親は、「生きて帰ってきて」と悲痛な思いを訴えています。
昨年末、男子大学生は行方不明となった
Aさんの母親
「会話の途中から(メッセージに)既読がつかなくなってそこから位置情報が移動したので、ここから拘束されて連れて行かれたなというのが想像できたので」昨年末、カンボジアに入国後、行方が分からなくなったとされる福岡県に住む大学生のAさん。家族には「友人と海外に行く」と伝え、当初の行き先は東アジアにある別の国でした。
大学生の位置情報はカンボジアに・・・
Aさんの母親が証言します。Aさんの母親
「大きな荷物とかではなくて本当に日帰りかなと思うような感じの荷物でした。行き先は最初から聞いていたんですけど『今日帰ってくるの?』というやりとりをしていたら『2泊3日だよ』というような形で」ところが、翌日になるとAさんのスマートフォンの位置情報はカンボジアに。
事前に知らされていなかったAさんの母親がメッセージを送ると、Aさんからの返信は―「カンボジアにいる」、「普通の旅行だよ」
その後、位置情報は途絶え、メッセージも既読にならず
その後、3日目の帰国予定日にAさんの位置情報は途絶えてしまい、メッセージに既読がつかなくなったということです。Aさんの母親は警察や外務省などに相談しましたが、今のところ有力な手がかりは得られていません。また、カンボジアはニセ電話詐欺の拠点があるため、Aさんが詐欺グループに巻き込まれていないか危機感を抱いています。
Aさんの母親
「長期化することで本人の意思に反して犯罪に加担させられる可能性があるのでそういった不安はあります」
福岡県内に住む複数の男性が行方不明に
福岡県警はおととし以降、カンボジアに入国した県内に住む20代から30代の複数の男性が行方不明になっていることを把握しています。
ニセ電話詐欺などの犯罪に巻き込まれた可能性があるとみて調べていますが、捜査関係者によりますと、これまでに帰国した20代の男性1人から事情を聞いていたということです。捜査関係者
「本人はホテルのカジノで高額報酬の仕事を持ちかけられ、現地に行ったら(電話をかける)『かけ場』に連れて行かれたと。でも、隙を見て大使館に逃げ込んで(詐欺は)怖くてやっていないと話していた。本当かどうか分からないが、証拠がない以上捜査できなかった」
数か月にわたるやりとり「好待遇」を連想させる文言で海外へ
今回、Aさんの友人はSNS上で知り合った人物と数か月にわたってメッセージのやりとりをする中で海外旅行に誘われたということです。
その勧誘の手口とはーAさんの友人が知り合ったSNS上の人物
「会社の経費で支払う」「現地で通訳の迎えがある」
「無料」や「好待遇」を想像させる文言だったといいます。
Aさんの母親
「かなり時間をかけてSNS上の人物が友達になっていって最後に海外の話を持ち出すみたいな。巧妙になっていますよね。普通の友達だと信じてついて行ってしまう感じなのかもしれない」
母親「どうにか生き延びて帰ってきて」
Aさんと連絡がつかなくなって3か月あまり。
Aさんの母親は同様のケースが起きてほしくないとの思いから声を上げつつ、息子が捜査の対象になる可能性があることも覚悟しています。Aさんの母親
「同じような被害に遭ってほしくないというのがありますし、実際どれくらいの方が同じような状況に遭っているのか明らかにしていただきたいと。もし犯罪に加担させられているんだったらきちんとそこは取り調べていただきたいと思っております。何にせよどうにか生き延びて帰ってきてもらえればと願っております」
カンボジアの巨大詐欺拠点とは
若者たちが行方不明になったカンボジア。巨大化している詐欺拠点の実態とは―
村橋佑一郎記者
「高い壁を抜けると、中に詐欺拠点の建物がいくつも並んでいます」1万人以上の詐欺グループのメンバーがいたとみられる大規模拠点です。村橋佑一郎記者
「ここが詐欺拠点が置かれていたオフィスですかね。電子機器や書類が散乱しています」去年、タイとカンボジア、両国の軍事衝突で、この場所をタイ軍が占拠したため、内部の至る所に攻撃の跡がありました。
詐欺グループは慌てて逃げ出したとみられています。
各国の警察署を模した「ニセのセット」や日本語の「サギマニュアル」
村橋佑一郎記者
「こちらの部屋はですね、中国の警察署を模したニセのセットだということです」ブラジルやインドなど、各国の警察施設や銀行の窓口を装ったニセのセットが7か国分もありました。さらに…。村橋佑一郎記者
「こちらの部屋には日本語で書かれた詐欺電話のマニュアルとみられるものや、日本人の個人情報と思われるメモ書きなどが大量に残されています」
紙に書かれていたのは、日本人の名前や生年月日、銀行の預金額など。こうした個人情報は少なくとも40人分見つかり、中には福岡県の住所が書かれたものも複数ありました。
この拠点から日本人が詐欺の電話をかけていたのでしょうか。
「有刺鉄線にスタンガン」暴力で支配される実態
一方…。
村橋佑一郎記者
「建物の間にはこのように壁、それから有刺鉄線がありまして簡単には外に出入り移動ができない状態になっていたとみられます」拠点からは暴行するために使われたとみられるスタンガンなども見つかりました。
カンボジアの詐欺拠点では、世界中から集められた外国人のかけ子らが監禁状態に置かれていて、自発的に詐欺に加担したり、人身取引のような形で意図せず巻き込まれたりする日本人も少なくありません。
詐欺のノルマを達成できなければ暴行を受けるなど、暴力で支配されている実態もあります。
”恐怖支配”で命を落とした若者も
こうした“恐怖支配”により、命を落とした若者がいることも明らかになりました。こちらは去年7月、韓国の大学生・キムさん(仮名・22)の家族のもとにかかってきた身代金要求の電話です。キムさんの兄
「8月5日までに6700万ウォン?5700万ウォン?そんなお金をどこから出せばいいんだ」
キムさん
「(返さなければ僕を)ミャンマーに送って働かせるって」
詐欺組織
「我々にお金返せばいいのでは?それで弟さんを連れて帰ればいい」
キムさんは遺体となって発見された
このおよそ2週間後、キムさんはカンボジアで遺体となって発見されました。キムさんを殺害したとして起訴されたのは、カンボジアを拠点とする詐欺組織のメンバーとみられる中国人の男たちでした。
口座を買い取ってもらうためにカンボジアへ
カンボジアで息子を亡くした父親
「もともと学校でドイツに研修に行くと言っていて、後で調べたらカンボジアに行ったらしい」父親にはうそを言い、口座を買い取ってもらうために知人とカンボジアへ渡ったとみられるキムさん。
待っていたのは、詐欺の犯罪組織でした。
カンボジアで息子を亡くした父親
「息子がかかわっている組織から連絡がきました。5700万ウォン(約630万円)を出せとずっと圧力をかけてきました」
キムさんの家族に多額の金銭を要求
組織は、逃亡した仲間の穴埋めという理由で、キムさんの家族に金銭を要求してきました。
電話の向こうからは暴行をするような音も。
カンボジアで息子を亡くした父親
「罵倒したり、たたいたりするような音が横で聞こえてきました。私も正気ではなかったです」
その後、カンボジア政府から家族のもとに送られてきたのは火葬を行うための書類。そこには。「死亡診断:心臓麻痺」「拷問による激しい痛みのため」カンボジアで息子を亡くした父親
「本当に心が折れました。普段の生活ができませんでした」Q.これは何の写真ですか
父親「軍隊を退役したばかりの頃の写真です」
韓国では拉致事件の被害が1年間で300件超に
韓国では、カンボジアで若者が拉致され、詐欺拠点に監禁される被害が去年300件を超えています。韓国政府は現地に専門チームを作り、カンボジア当局と連携しながら韓国人151人を逮捕したほか、人身取引の被害者とされる5人を救出しています。また、カンボジア当局も国際的な圧力を受け、今月末までに「詐欺組織を根絶する」として取り締まりを強化。
去年以降、およそ200か所の詐欺拠点を閉鎖し、外国人ら8000人以上を国外退去させたほか、20万人以上の外国人が自主的に国を出たとしています。
R調査班とは
身の回りで起きている不正やトラブル、疑問、また不可解な現象や不思議な慣習など、皆さんからの情報提供をもとに福岡・佐賀をエリアとするRKB毎日放送の記者が徹底調査します。情報提供は「RKB報道部 公式LINE」より【関連記事】R調査班 過去の取材
▼「日本人の需要が一番高い」 カンボジアの巨大詐欺組織の闇に迫る 暗躍する中国系犯罪組織 その背後に潜む黒幕の正体は・・・
詳細は NEWS DIG でも!↓
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2574950